版下の制作・入稿で注意すべき画像とフォント

デザイン・制作

印刷紙面(版下)の作成には、レイアウトを構成する紙面データ、文章作成に用いるフォントデータ、写真として添付する画像データなどを使用します。このうち、印刷所で高品質な印刷をする場合に注意すべきなのが、画像データとフォントデータです。

 

なぜ画像データに注意が必要なのか

画像を高品質に印刷するためのルールが複雑でトラブルが多く、画像データを正しく扱う必要があるからです。ポイントとしては、下記の3つがあります。

1.画像解像度

2.カラー設定

3.ファイル形式

 

1.画像解像度

きめ細かい高品位な画像を印刷するために必要な設定です。原寸の画像サイズで、かつ解像度が350dpiが理想です。(紙面に10cm×10cmの写真を入れる場合、画像サイズは10cm×10cm、解像度は350dpiが理想です)

印刷所にある、写真を含む版下を印刷する印刷機の多くは、175線という単位の解像度再現力を持っています。これは1インチ(2.54cm)の幅内に、175個の網点を持っているということです。

版下に入れた画像の解像度が、これより低い場合は、印刷所で高品位な印刷をする意味が薄れてしまいます。仕上がりの見た目にもチープな感じが出ますよね。逆にあまり解像度を高くしても、データが大きくなりすぎて、不具合が出る可能性があります。理想は、印刷機の性能と同じ解像度で画像データを提供することです。

175線は画像解像度で350dpiになります。なので、具体的には、紙面の中に10cm×10cmの写真を貼るとすると、画像のサイズが10cm×10cmで、解像度が350dpiの画像データを用意することが理想です。

 

2.カラー設定

意図した正しい色で印刷するために必要な設定です。CMYKカラーとし、CMYKのカラープロファイルは japan color 2001 が推奨です。(カラープロファイルを扱う場合、モニターで正しい色調が表示されるように調整(モニターキャリブレーション)が必要です)

印刷所ではインクを使って印刷をしますので、CMYKの各原色の比率で構成された画像が必要になります。カメラで撮影した画像データはRGBカラーですので、版下に入れる段階でCMYKカラーに変換しなくてはなりません。

この変換の際に、CMYKのカラープロファイルが、日本国内でのオフセット印刷に適した japan color 2001 に設定されている必要があります。(印刷紙の種類により、-coated、-Uncoated等いくつか用意されています)

Photoshopのカラー設定(メニュー→編集→カラー設定)AdobeRGBは対応モニターが必要(ボクはsRGB)

ちなみに、家庭用のインクジェットプリンターはRGBデータで問題なく出力でき、むしろそのほうがキレイな場合があります。これは、付属のドライバーがRGBデータからプリントデータへの変換に対応していること、というかむしろ、多くのユーザーがデジタルカメラやwebで日常的に扱う、RGBデータからの印刷に最適化しているからです。

近年では、印刷所もこのようなRGBデータからの印刷に対応する会社様が増えるようです。

 

3.ファイル形式

高解像度のCMYK画像を、品質に変化なく版下へ反映するために必要な選択です。版下をIllustratorやIndesignで作成する場合、EPS形式、またはPSD形式が推奨です。

透明を含む画像の場合はPSD形式を選びますが、PSD形式に対応していない印刷所様もあるので確認が必要です。また、消去法でJPEG形式の場合は、保存の度に画像を圧縮するため、その度に画像が劣化する仕組みです。TIFF形式の場合、劣化のない形式ですがファイル容量が大きくなり、高解像度画像をいくつも使う版下の場合に適していると思いません、、ただ、TIFFの使用を推奨している印刷所様もあります。

 

なぜフォントデータに注意が必要なのか

フォント形式の種類が多くルールが複雑でトラブルが多く、フォントを正しく扱う必要があるからです。結論を先に書くと、PostScriptベースのOpenTypeフォントが推奨です。

1.ビットマップフォントとアウトラインフォント

フォントには、ビットマップフォントとアウトラインフォントがあります。印刷所での高品質印刷に使うのは、当たり前ですがアウトラインフォントです。

2.TrueTypeフォントとPostScriptフォント

アウトラインフォントには、TrueTypeフォントとPostScriptフォントがあります。印刷所の印刷機は、PostScriptプリンターというタイプで、高詳細なPostScriptフォントがプリンター内にインストールされています。

版下を制作するパソコン側にPostScriptフォントがインストールしてあっても、プリンター側に同じ種類のPostScriptフォントがなければ印刷できません。例えば、パソコン側で「見出しゴMB」という種類のPostScriptフォントを使用したとして、プリンター側に「見出しゴMB」という種類のPostScriptフォントがなければ、正しく印刷できません。PostScriptフォントには、古い順にOCFフォント、CIDフォントがあります。

3.OpenTypeフォント

PostScriptに対応した最新のフォントはOpenTypeフォントです。というか、OpenTypeフォントには、TrueTypeフォントとPostScriptフォントがあります。(というか、TrueTypeがベースのものと、PostScriptがベースのものがあり、両者の後継的な位置付けです)少しややこしいです。WindowsとMacの両方で使用できる汎用性があります。

 

・入稿形態からの結論

PostScriptフォントを使い、PostScriptプリンターで印刷する方法と、フォント埋め込みタイプのPDFファイルで印刷する方法があり、フォント埋め込みタイプのPDFファイルでの入稿が主流になりつつあります。

このため、PDFファイルに埋め込みできるフォントが、印刷版下では主流になります。TrueTypeフォント、PostScriptフォント、OpenTypeフォント、様々なフォントが埋め込み可能ですが、結局のところ、印刷用に高詳細にできているPostsScriptベースのOpenTypeフォントを使うことになります。

PDF入稿で安定性の高いPDF/X-1a

Posted by tkdesign