【保存版】ミラーレス一眼カメラのおすすめ・選び方

撮影・カメラ

ミラーレス一眼を購入する目的は、多くの方はお子様などの人物撮影、または旅行や登山などの風景撮影、どちらか・または両方だと思います。ここでは人物撮影・風景撮影をする前提で、ミラーレスカメラを選ぶ際のポイントを解説します。

 

子供や風景ってどうやって撮るの?

お子さんを写真に残したいイメージって、こんな感じでしょうか?

このような背景をボカした柔らかい写真は、標準~中望遠の明るいレンズを使い、絞りを開放して撮影します。

 

一方、美しい風景を持ち帰りたい写真って、こんな感じでしょうか?

このようなクッキリと細部までディテールのある写真は、広角〜標準のレンズを使い、絞り込んで撮影します。

 

スマホのカメラと何が違うの?

近年のスマートフォンのカメラは劇的に進化しており、スナップ的に撮る写真や、日中に記録として風景を撮るなどの用途では、スマートフォンのカメラで十分と言えるほどの性能を持っています。ボクも、iphoneXのカメラで山の写真を記録したりしますが、普通に撮る分には十分です。

ただ、ミラーレスカメラはスマホカメラにない、絞り・シャッタースピードを変化(露出調整)させて美しい写真を残すことができます。

絞りを開放させて背景をボカした奥行きある写真
露出をアンダーに調整して夕方の雰囲気を強調した情緒的な写真

 

ミラーレス一眼と一眼レフカメラ、どちらを選べばいいの?

ミラーレス一眼レフ
大きさ・重さ一眼レフに比べ小さめ・軽め
持ち運びしやすく、サッと撮れる
ミラーレスに比べ大きめ・重め
操作性が良く、ブレが生じにくい
ファインダー電子ファインダー
晴天屋外では見にくい時がある
(モデルにより接眼タイプあり)
見た目の画像が写真になるので
イメージしやすい
光学ファインダー
被写体を追いやすく
空間として把握しやすい
見た目の光景と写真が異なることが
あるので慣れが必要かも
オートフォーカスコントラストAF
一眼レフに比べ構造的に遅め
(そう感じない機種もある)
位相差AF
ミラーレスに比べ構造的に速め
(そう感じない機種もある)
レンズの豊富さ一眼レフに比べ少なめ
比較的新しい規格のため
流通している種類が限られる
ミラーレスに比べ豊富
昔からある規格のため
流通している種類が豊富
デザイン一眼レフに比べ豊富
レトロからモダンまで
お洒落なデザインも多い
ミラーレスに比べ単調
本格的・プロフェショナルといった
印象のデザイン
ミラーレス・一眼レフの主な相違点

ミラーレスのメリットは、小さくて軽く・手軽に持ち運びしやすい、お洒落といった感じになります。一眼レフのメリットは、操作しやすく本格的な撮影がしやすい、光学ファインダーで見やすい、といった感じになります。

お子さんが成長し、運動会やスポーツ競技会・学芸会などでアップの写真を撮りたい、また、電車や飛行機を撮りたい、あるいは美しい花をクローズアップして撮りたい、といった用途には、操作性が良く光学ファインダーで被写体を追える一眼レフカメラが適しています。望遠レンズやマクロレンズで、被写体を追いながら一瞬を切り取る撮影になるからです。

 

具体的に操作してみます

人物撮影の場合、柔らかな雰囲気を表現し、明るい印象を持つ写真を撮影します。簡単な方法は、カメラの「絞り優先」モードを選択し、絞りを開放にしながら撮影します。

1.絞り優先モードを選ぶ

2.絞りを開放にする

(3.露出補正を明るめにする)

 

1.絞り優先モードを選ぶ

左:富士フィルムX-E1の設定 右:オリンパスPENの設定 機種により方法が異なります

 

2.絞りを開放にする

F値の数字が小さいほど、絞りが開放されます(=ピントの合う範囲が狭くなり前後がボケます)

 

(3.露出補正を明るめにする)

露出補正を+方向へ調整して明るい写真が撮れるようにします(機種により操作方法は異なります)

以上が人物撮影の操作です。メーカー・機種により操作方法に違いはありますが、基本的な流れは同じです。風景撮影の場合、2.の絞り調整で絞り込む(F値を大きくする)・3.の露出補正で逆に若干−方向に調整します。

 

どんなカメラだと撮れるの?

カメラ本体は、スタンダードモデルで大丈夫です。あまり安いタイプだと、映像エンジンが他の機種と異なるものが入っていたりすることがあり、後述しますが、写真の印象が違ってきます。カタログ上で、映像エンジンが上位機種と同じものを選ぶと安心です。

重要なのはレンズです。写真の出来栄えはレンズによって決まります。個人的にはカメラ本体よりもレンズに投資するのが正解です。人物の撮影、風景の撮影ともに、明るい標準域のズームレンズ1本、または明るい標準域の単焦点レンズ1本で対応できます。

もしかしたらカメラ本体よりもレンズの価格の方が高くなるかもしれません。。でも付属のキットレンズだと、あまり出来栄えに期待できません。多くの方は、そうやってせっかく買ったカメラを前に、やっぱりあまり写真が上手くないのかな、と諦めてしまいます。そうなるととても悲しいですね。

 

どの機種を選べばいいの?

それぞれのメーカーにスペックの違いだけでない性格の違いがあったりします。スペックを含め、1つ1つ解説します。

1.イメージセンサーの大きさ

2.画素数

3.映像エンジンの性格(写真の味付け)

4.手ブレ補正の方式

5.レンズやアクセサリーの豊富さ

6.デザインの好み

 

1.イメージセンサーの大きさ

センサーサイズの違いイメージ
サイズ標準レンズ相当換算倍率
フルサイズ36×24mm50mm×1
APS-C23.4×16.7mm≒35mm×1.5
マイクロフォーサーズ17.3×13mm25mm×2
※メーカー・機種により若干の数値差があります

センサーの面積で結像するので、大きい方が物理的に有利ですが高価になります。ちなみに、サイズが小さめでも、そもそも本体と専用レンズをシステムで設計しているので、十分美しい写りになります。

 

2.画素数

デジカメは、1,000万画素を越えれば高級機の時代もありました。今は、普及モデルで2,000万画素、高級モデルで4,000万画素を超える商品が多いようです。単純に写真を撮って楽しむ場合「個人的には」今は1,200万画素あれば美しい写真が楽しめると思います。その根拠として下記にモニター規格の図を入れてみます。

表示画素数の大きさの違いイメージ
2K(Full HD)1,920×1,080=2,073,600200万画素
4K3,840×2,160=8,294,400800万画素
8K7,680×4,320=33,177,6003,300万画素

現在、普及が開始された4Kで、表示画素数は800万画素です。カメラのセンサーの横縦比は3:2、4Kの横縦比は16:9≒3:1.68なので、4Kの方が少し横長です。なので、4Kを実現するカメラのセンサーの画素数は800万画素より多くなります。よって1,200万画素以上あれば大丈夫そうです。同じように、8Kの場合は4,000万画素以上あれば大丈夫そうです。(書き方難しかったらスルーしてくださいね)

なので、今のカメラの普及モデル(画素数2,000万画素以上)は4K対応、高級モデル(画素数4,000万画素以上)は8K対応になります。

ちなみに、A4サイズの紙一面にプリントする場合、カタログ制作と同じ350dpiの高解像度で印刷するとして、ピクセル数は4,093×2,894=11,845,142ピクセル → 1,184万画素となります。

繰り返しになりますが、単純に写真を撮って楽しむ場合「個人的には」今は1,200万画素あれば美しい写真が楽しめると思います。

 

3.映像エンジンの性格(写真の味付け)

デジタル写真は、センサーで光を受け、カメラ内の映像エンジン(ソフト)で画像化しています。この工程にプログラムの味付けがあり、仕上がる写真の印象に影響しています。昔であれば、フィルムメーカー・種類により、写真の印象が違うという感じです。

メーカーの違いにより、あざやかな色彩表現の傾向がある会社や、忠実な色彩表現の傾向にある会社などあります。ですので、サンプル写真などをご覧になり、感覚で好きな表現を選ぶのをお勧めします。個人的には、この映像エンジンの味付けがメーカー選びのポイントになる気がします、ブランドの好みと合わせて。

ちなみにボクは、キヤノン・富士フィルム・オリンパスのカメラを所有しており、キヤノンは写真ってこうでしょ!っていう間違いのない王道的な美しさ、富士フィルムは色を研究してきたフィルム会社の味わいの美しさ、オリンパスは彩色的で透明感ある美しさ、という簡単な感想を持っています。どれもキレイですよ。

 

4.手ブレ補正の方式

手ブレ補正が優秀だと、写真を安心して撮影できます。メーカーにより、カメラ本体内に手ブレ補正を持つ会社、レンズ内に手ブレ補正を持つ会社があります。

カメラ本体内に手ぶれ補正がある場合、どんなレンズをつけても対応できるのがメリットです。一方、レンズ内に手ブレ補正がある場合、例えば長尺な望遠レンズをつけた場合に、手持ち撮影でレンズ側が大きく揺れた(ボディー側はそんなに揺れなかった)というシーンで効果を発揮します、元々望遠レンズを使う時にこそ手ブレが起きやすいですからね。

なのでどちらにもメリットはあります。ミラーレスの場合は、使うシーン的にカメラ本体内に手ブレ補正があった方が使いやすいのかなとも思います。

店頭でカメラを試す場合、手ブレ補正の性能は試しやすいので、試してみるのもよいですよね。ちなみに、ボクがあるカメラを買った時に、その驚きの手ブレ補正の性能に驚いた会社さんもあります、昔「手ブレの問題、カメラ側で解決してください」というCMを打っていた会社さんです。

 

5.レンズやアクセサリーの豊富さ

カメラ本体以外に、レンズやアクセサリーの選択肢が極端に少ない会社さんは、今生き残ってる(笑)会社さんにはないと思います。

上でご説明した「明るい標準レンズ」は、おおよそ別売になりますが、その価格を見てみるのもよいかもしれません。

また、カメラを使い続ける状況になった場合、経験上、オークションや中古カメラ屋さんにお世話になることが多々あります。こういった場合に、市場にどのくらいのタマ数が出ているのかといった面も参考になると思います。

 

6.デザインの好み

持ち運んで愛用する道具なので、自分の気に入ったデザインを選ぶのが一番だと思います。

上でご説明したように、国産の主要メーカーの機種では、どれを選んでも使えないことはないと思います。むしろ、自分の気に入ったデザインを選び、持ち運んで使うのが楽しくなり、ある程度の良いレンズも使って撮影するのが楽しくなり、次のお休みは何を撮りに行こうかなんて考えること、カメラを好きになってもらうことが大切だと思います。

 

Posted by tkdesign